ABZU
概要
言葉のない深海を舞台に、生命の源流を求めて潜る水中探索アドベンチャー。酸素残量や時間といった制約から解き放たれ、流麗なアニメーションと音楽が織りなす「海との一体感」そのものを追求したミニマルなゲームデザインが特徴。数千もの魚群と戯れ、沈黙する古代遺跡に触れることで、星の記憶を呼び覚まし荒廃した生態系を再生させていく叙事詩的な体験。視覚と聴覚のすべてを委ね、言葉を超えた共感覚で生命の連鎖を再発見する、現代の神話。
開発元: Giant Squid
ジャンル: アドベンチャー, カジュアル, インディー, シミュレーション
感想
・ゲームプレイ
このゲームは美しい海の世界を自由に泳ぎながら進んでいくゲームです。
言葉もない世界で、沈んだ古代文明を背に失われた海の色彩を取り戻します。
俗に言う雰囲気ゲームと言ってしまうこともできますが、それはあまりにももったいないです。
基本的にはちょっとしたステージギミックを解きながら、様々な様相を呈する海を見て回るのがメイン。
アクションゲームが好きな人には合わないものの、癒やしを求める人、何か美しいものに触れたい人には最適だと思います。
海と言えば生物が欠かせませんが、この作品でもたくさんの生き物が登場します。
ある程度大きい生き物には捕まって一緒に泳げるので、海中散歩と洒落込むのもおすすめです。
タイトルである「ABZU」ですが、正確には「ABZÛ」と書きます。(ちなみにこの Û の上に付いてるのはサーカムフレックスと言います。)
古代メソポタミア神話を背景とした言葉であり、公式サイトによると「AB(水・海)」+「ZÛ(知る)」で「知の海(Ocean of Wisdom)」を意味します。
そもそも「Abzu(アプスー)」という淡水の海、あるいはその神を意味する言葉がありますが、そこに新たな解釈を加えたという感じですかね。
ここら辺の神話関係は非常にややこしいですが、とても興味深いです。
神話というように、ゲーム内においても古代文明の壁画や超越的な表現からその神秘的な欠片を感じることができます。
考察好きな方は捗りますね。
「風ノ旅ビト」というゲームを知っている方がいるかもしれませんが、そのディレクターさんが手掛けています。
・ビジュアル・音楽
何と言っても特筆すべきは、本作のアートワークでしょう。
皆さんは海といえばどんなものを思い浮かべますか?
サンゴ礁の綺羅びやかなものから、朝マズメの濁り、おどろおどろしい深海まで、海には色々な表情があります。
ABZU はそれらを的確に捉え、描写しています。
ステージによって雰囲気が全然違うんですね。
また、先程も触れましたが生き物がたくさん出てきます。
私はウミウシとかが好きなのですが、ユニークな海洋生物たちが海を彩り、全く飽きさせません。
現実では中々グロテスクな見た目のやつもいたり、そもそも魚が苦手だという方もいらっしゃいますが、ゲーム内では特徴を損なうことなくいい感じにデフォルメされています。
魚の名前と共に動きをじっくり観察できるモードも自然に導入されているので、自然の水族館みたな感覚で楽しめます。
あと海に沈んだ人工物ってロマンあるじゃないですか。
それを存分に浴びられるのもいいですね。
・その他
私は色々インディーゲームをするのですが、そのきっかけは ABZU かもしれません。
最初は PSPlus のフリープレイで提供されていてプレイしたのですが、そこから買い直して、Steam でも買って、何周もしました。
非常に思い出深い作品です。
現代人の荒んだ心に対して、特効薬となり得るのではないでしょうか。
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